2019年3月27日に、ベネッセグループに所属している、語学や通訳育成の(株)サイマル・インターナショナルに勤務していた語学講師5名は、復職を目的として、東京都地方裁判所に地位確認訴訟を提起した。連合東京に加盟している講師の組合(東ゼン労組サイマル国際教員組合)は、その翌日、同社前で抗議行動を行った。
同社は、法人研修サービス部を閉鎖し、それに伴い、組合員を含めて100名以上の講師を解雇することを2017年11月に唐突に発表した。なお、解雇が実行される日は、同講師が労働契約法第18条に定められている無期転換権(いわゆる「5年ルール」)が発生する前日の2018年3月31日となっていたのである。
なお、経営者は、長年の労使関係と事前協議の協定に逆らい、解雇の条件などについて、組合と一切交渉することなく、一方的に決定したものである。同社における組合は、2003年の結成以来活動してきた。また、会社は、長年の労使関係において初めて弁護士を団体交渉に出席させたのである。閉鎖および多数解雇の理由について、組合へ説明することを、現在に至るまで拒否してきた。経営が良好である同社にとっては、他の部署への移動が難しくないにもかかわらず、そのような努力する姿が見られない。
サイマル社は、部署閉鎖などは、必要な組織再編の一部にすぎないと主張してきたが、交渉の席で、経営困難が原因でないことが明るみになった。講師組合員は、15年以上勤続している。組合側は、1年半以上会社と交渉してきたが、経営側は誠意を持って交渉に応じなかった。そのため、2018年5月に東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てた。
サイマルが組合員を解雇した理由は、上記の無期転換を逃れるためであると、組合は考えています。労働者の雇用を安定化することを図った労働契約法改正を無視した、このような多数解雇は、許せません。安定した雇用のためにも、闘わなければなりません。皆さんのご支援をお願いいたします。この趣旨に賛同される方は、組合の担当のジェローム・ロスマン( tozen.rothman@gmail.com )までご連絡ください
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