Takuboku Ishikawa died in 1910 at the tender age of 26. But before he left this […]
働けど 働けどなお 我が暮らし 楽にならざり じつと手をみる 1910(明治43)年に26歳で夭逝した歌人の石川啄木による、あまりにも有名な短歌である。「どれだけたくさん働いても、一向に暮らしは楽にならないのはなぜだろう? 途方に暮れて、思わずじっと自分の手を見つめてしまう・・・」という意味である。 啄木は若き才能あふれる文学者であったが、生前はその才能が世間になかなか認められず、代用教員や校正など、生活のために様々な職に就いていた(ちなみに、彼は周囲の人に借金をしまくっており、しかもその返済をしなかったという)。ただし、啄木は肉体労働には就いていなかったので、「じつと」見つめていた手は、きっと赤剥けもささくれもなく、細く白かったのだろうと推測できる。