柏市立の小中学校で英語を教える外国語指導助手(ALT)について、厚生労働省千葉労働局が違法な「偽装請負」と認定した問題を受け、柏市教委は新年度の4月から、日本人教師が外国人講師に直接指示しても法的な問題が起きないよう派遣契約と直接雇用に切り替える方針を決めた。

市教委によると、ALTは昨年3月末までの3年間、人材派遣会社との業務委託契約により全61校に派遣されていた。日本人教師と一緒に会話などを指導するチームティーチングで授業。教師とALTは授業前に打ち合わせをして、授業後も反省会をしていた。この形は、派遣会社が単に労働者を送り込むだけで発注元(市教委)の指揮下で仕事をさせる「偽装請負」に当たるとして、千葉労働局に是正を指導された。

このため、昨年4~6月は英語の授業ができなくなった。市教委は違法状態を解消するため、7月以降、45~50分間の授業の中で教師とALTの「役割分担」を明確にした。教師が最初と最後の5~10分間、児童・生徒を教え、真ん中の30分程度をALTが担当。教師からの指示命令をなくし、授業前後の相談や反省会もやめて、改善点など要望は業務委託先の派遣会社に伝える形にした。しかし、教育現場から「子供のためになっていない」と批判が出ていた。

市教委は「教師とALTがコミュニケーションを取りながらの授業が望ましい」と判断。人材派遣会社と派遣契約を結んで20人弱を確保することにした。派遣期間が3年を超えると直接雇用申し入れの義務が生じるとする労働者派遣法に触れない雇用期間にする方針だ。

一方、ALT5人を1年間の臨時職員として直接雇用する。市教委は「全員の直接雇用が理想だが、研修も労務管理も市教委が自前でやらなければならない。初年度は5人を直接雇用してノウハウを得たい」と説明している。市財政課によると、今年度のALT関連予算は約7200万円。派遣契約と直接雇用に切り替えても、新年度予算は同額程度になるという。

http://mainichi.jp/area/chiba/news/20110120ddlk12100092000c.html

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