よくある質問

労働組合について、聞きたかったのに聞けなかったこと、すべて

組合員が同僚や友人に組合について話すと、様々な質問を受けます。大半はもっともな疑問ですが、労働組合に関する不正確な思い込みや神話にもとづく疑問も少なくありません。ここでは、よくある質問の一部に答えたいと思います。

Q: 東ゼン労組は、私が勤める会社に対し、何を求めて交渉をするのですか。

何を求めて交渉するか決定するのは働く者自身です。結成後は、同じ職場で共に働く方々が、全員にとって重要な課題は何であるか話し合います。その課題を踏まえて雇用主に対する要求を行います。東ゼン労組の経験豊富なメンバーから、草稿作成や要求の交渉にかかわる技術面でのサポートを得られます。

Q: 東ゼン労組は誰が運営しているのですか。

東ゼン労組は、組合員によって運営されている民主的な組織です。全メンバーに出席を呼びかけて年次総会を開催し、執行委員やオルガナイザーを選出します。執行委員は月例会議を開催し、組合の日常業務にも参加します。この会議もすべての組合員に開かれています。そして、同じ職場で働く組合員が支部を結成し、メンバーによる選出で代表者を決めます。支部の役員は東ゼン労組執行委員会と密着に協力します。東ゼン労組を動かしているのは組合員なのです。

Q: 組合加入を理由に解雇されることがあるのでしょうか。

日本の労働基準法では、組合活動を理由に従業員を差別することは、いかなる形でも禁じられています。雇用主が組合員に対していやがらせや差別を行う場合、東ゼン労組は「不法労働行為」として労働委員会に訴えを起こすことができます。

しかしながら、雇用主からのいやがらせが対象を問わず起きないようにするための最善策は、全員が一致団結することです。組合がなければ、経営陣には人を好きなように扱うことが可能です。組合があれば、法と仲間によって全員が守られるのです。
組合活動を理由に解雇もしくは契約打ち切りになった組合員はほとんどいません。東ゼン労組はそうした状況を必ず打破してきました。一方で、解雇や契約打ち切りについて、組合員ではない人からアドバイスを求められることも少なくありません。絶対に解雇されない保証はないのですから、もしそうした状況になるとしたら、組合があるほうが遥かに有利です。

Q: 私の雇用主は、(組合に加入すると)今ある福利厚生を失うぞ、という噂を広めています。それは本当でしょうか。

私たちの経験から言って、従業員が団結し組合を結成すると、既存の福利厚生を維持するだけでなく、多くの例で大幅な改善を勝ち取っています。理屈としては、経営難の企業を救うために東ゼン労組側が譲歩することもありえなくはないですが、これは会社が会計情報を明らかにした場合、さらには組合員の同意が得られた場合の最終手段です。

Q: 東ゼン労組が介入することで、雇用主に金銭的負担が生じるのではありませんか。

自分が働く企業や学校の財政的健全性を懸念するのは当然のことです。会社が倒産してしまえば、誰の給料も支払われないのですから。しかし、会社の業績が好調ならば従業員がその受益者になれるとは限りません。儲けている会社が、従業員を解雇したり、給料や福利厚生を減らしたり、あるいは給料は同じでも労働時間を増やすなどといった方法で、さらに儲けようとしていく場合もあるからです。利益額を明示しても、それで全体像がわかるとは限りません。事業拡大や新校設立にお金をかけたり、新事業に踏み込んだり、経営陣の給与や過剰な広告キャンペーンなど、従業員への支払いの他に様々なコストをかけている可能性があるからです。過去6年間に複数の英会話学校において、飛行機を買い、ヨットを買い、別荘を買い、ある例ではフィリピンに島を買うといった状況も起きていました。こうしたことを踏まえると、やはり従業員の経済的正義を確保するためには、しっかりとした労働組合を確立するのが唯一の方法なのです。

Q: 私の雇用主は、東ゼン労組は邪悪だと言っています。本当ですか。

東ゼン労組はあなたと同じ存在であり、あなたと似た状況にある他の人たちと同じ存在です。雇用主はあなたに、東ゼン労組は邪悪であると思わせたいのでしょう。しかし東ゼン労組は、品行方正で、誠実で、働く人々の生活の向上のために心を砕く組織です。

Q: 私は日本に長期滞在する予定はありません。なぜ東ゼン労組に加入する必要があるのでしょうか。

長期滞在するつもりではなかったにもかかわらず、様々な理由で、当初思い描いていた期間よりも長く、1年以上滞在することになった人は少なくありません。昨今では、日本の労働人口の少なからぬ割合を、様々な国籍および職業の外国人労働者が占めています。あるセクターで状況を改善できれば、それが1つの例となり、他の領域で働く人々に希望を与えることができます。あなた自身は日本に短期しか滞在しないとしても、あなたの同僚や、別の会社で働く友人などは、あなたが去ったあとも滞在し続けるかもしれません。組合に参加することで、彼らの今と未来を手助けすることができます。

Q:日本では労働組合を好まない、組合に加入するのは日本らしいやり方ではない――と私の雇用主は言っています。

「日本らしいやり方」の定義は、話す人によって違います。根本的に利己的な前提にもとづいていることもあります。日本でも毎年数千人がストライキを行い、決起集会やデモに参加しているのです。そして1000万人が労働組合に参加しています。東ゼン労組は、日本の法律に沿って、日本人および外国人が連帯している日本の労働組合です。

Q: 私の雇用主は、東ゼン労組が介入すれば会社は倒産するだろう、とほのめかしています。

1994年に倒産した大手英会話学校、バイリンガルおよびAttyの講師たちが労働組合を結成したのは、この2校が深刻な財政危機に陥り始めてからのことです。2校の倒産のあと、従業員が給料を回収できた理由は、東ゼン労組が介入したからにほかなりません。

労働組合があり、従業員が公正に扱われることによって、企業が倒産することはありません。倒産するのは市場の状況のせいか、もしくはお粗末な運営体制のせいです。東ゼン労組はいかなる企業も倒産に追いやったことはありません。雇用主がそのように発言するのは、職場で発言力を持たせないために、怖がらせようという作戦なのです。公正な給料、労働条件、発言権があればこそ、講師は長期的に勤務し、経験を積んだ良い講師になっていきます。

Q: 経営陣は、東ゼン労組は組合費を集めようとしているだけだ、と言います。なぜ組合にお金を払わなければならないのですか。

組合費は運営経費に充当されます。組合の活動家たちのやる気をかりたてているのは、「自分は正しいことをしている」という認識であり、ほとんどは完全に無給です。組合費を儲けにしている人は誰もいません。お支払いいただく組合費は、あなたの権利と労働環境向上のために使われます。その点では雇用主も同じお金を払っているのです。日本では、商工会議所や日本経営者団体連盟のような、雇用主のための「組合」があります。企業が自分たちの代理のためにお金を払うのですから、あなたもあなたのために活動する組合にお金を払っていいと思いませんか。

Q: 経営陣は、組合を結成すればストライキになる、と言っています。

組合を結成しようとすると、経営陣側はたいていストライキの可能性について言及します。しかしストライキになるのはまれなことで、大半の問題は、ストライキなしで解決します。ストライキを行うのは、組合支部メンバーの投票によってストライキが支持された場合のみです。労働組合というものは、公正な合意に達するために、経営陣にプレッシャーをかける様々な作戦を持っています。必ずストライキを行使するわけではなく、交渉、ビラ配り、決起集会、コミュニティサポートといったことを行います。

Q: 私の職場に組合を結成するためには、どうすればいいですか。

東ゼン労組は個人の参加も歓迎しますが、同じ職場で組合員が多ければ多いほど、目的を達しやすくなります。あなたが働く会社や学校に既に東ゼン労組の支部がある場合は、その組合員と引き合わせます。支部がない場合は、東ゼン労組には経験豊富なオルガナイザーが大勢いますので、支部結成の仕組みについてアドバイスをします。